肘関節捻挫

肘関節捻挫・肘関節周囲炎・野球肘・テニス肘等、部位や原因によって多少名称が異なります。また、肘関節捻挫の周囲に軟骨の小片が出来る事があり（俗に"ねずみ"と呼ばれる）整形外科では普通の肘関節捻挫とは分けて考えられます。

※一般に整形外科では、軟骨があって痛みが強い場合は手術で除去する事が多いのですが、当院ではよほど大きな骨片に成長してしまわない限りは手技のみの治療で肘の軟骨をなくすことが出来ます。そのため当院では、多少の軟骨であれば本質的には肘関節捻挫と同じとみなしています。

受傷直後には、患部が炎症して腫れ上がる、肘を動かす事が出来なくなる、じっとしていても痛みがある等の症状が出ます。応急手当をして炎症等の急性症状がおさまると、肘を動かさなければ痛みがなくなり、肘関節を捻ったり、手に荷物等を持って患部に負荷をかけた時にだけ痛みが走るようになります。症状が重いと肘周囲の筋肉が硬直（固まる事）して、肘を伸ばせなくなったり、逆に十分に屈曲することが出来なくなったりします。 　　　

　　また、肘が180度以上伸展する過伸展の状態になった時や、物を持って思い切り放り投げるなどの強い負荷運動を行った時にだけ痛む等、日常生活には殆ど影響がなくてもスポーツをすると痛む場合もあります。

受傷直後はまず患部を冷やして安静を保つ必要があります。ある程度急性症状がおさまったら、肘関節の痛みの原因となっている損傷や炎症を取り除きます。炎症だけなら冷シップ等で熱を取り除くことも出来ます。損傷がある場合はこれをしっかり治さないと肘を動かす度に再度炎症を繰り返します。

　また、肘関節の損傷が重く、肘関節周囲の筋肉や腱が硬直したり、前腕部の骨に癒着（くっつく事）している場合には、肘関節の可動域が減少しているため、こちらもあわせて治療を行います。当院では特殊な手技治療で肘周りの筋肉の損傷や硬直を治して、肘関節の可動域や血行を正常に戻します。肘の筋肉が癒着して硬直している場合は、筋肉の繊維が自由に動けず柔軟性を失ってしまい、無理して動かすと通常より簡単に損傷してしまいます。そのため温めたり湿布するだけでは一時しのぎでしかなく、運動をするとすぐにまた炎症を起こしてしまうため、根本的に治すのに有効な治療とはなりません。このような癒着は手術をしてもマッサージをしても治りませんが、当院にはこれを手技だけで、機械も薬も使わずに、副作用なく極めて高い確率で改善していける技術があります。通常数回の治療で回復しますが、長期間怪我を放置していた患者さんは肘関節の変形が起こっている場合があり、この場合はその分治療やリハビリが多めに必要になります。一般的には日常生活に差し障りない程度まで治して、あとは希望に応じてよりきれいな骨の形状に戻す治療を行います。特にスポーツ選手の場合は出来るだけ完全に近い状態に戻さないと本来の力を発揮出来なくなるので、痛めた時は変形する前に早めに治療を受けて頂きたいと思います。