(B)有酸素運動について
有酸素運動とは、ランニング、水泳、自転車こぎ、早足の散歩など、酸素を吸い込みながら一定の運動を繰り返すものをいいます。当然ながら、人間はどんな運動をしても酸素を必要とするのですが、この場合は「全身を使った運動をして体全体に汗が出てくる程度の運動、かつ大量の酸素を呼吸により摂取する必要のある運動」と定義できると思います。ゆっくり走っても約15分で発汗しますので、始めは週に1〜2回、「楽に感じる〜ややきつい」と感じる程度の運動を15分〜20分くらい行うと良いでしょう。まずは軽く汗をかくぐらいの運動量から始めて、その後目的に応じて量を調節していきましょう。
(C)運動療法について
運動は腰痛患者が腰痛予防として行うだけでなく、全ての人々にとって怪我の予防になり、体力増進にもつながる大切なものです。運動療法は直接的に痛みを軽減するものではありませんが、筋肉がつくとあまり痛みを感じにくくなる、怪我が再発しにくくなる等の効果があります。ただし急性の痛みがある時や、痛みが無くても筋肉が熱を帯び炎症している時には運動は禁物です。
治療後の体力増進やリハビリテーションとしての運動は、痛みのない時に無理せず少しずつ行なうのが原則であり、慢性痛がある場合に行う時は、治療の補助として考える必要があります。また極端に柔軟性が足りない人は、強い運動をすると怪我をしやすく危険です。そういう人はまず2〜3ヶ月ストレッチのみを行い、柔軟性を増してから運動を行なった方が良いでしょう。
運動療法といっても様々な筋肉を鍛える運動がありますが、ここではお勧めの腰の運動をいくつか紹介しておきます。まずは1日おきくらいのペースで試してみて下さい。
※体力増進目的で運動する方は運動回数を増やしたり、もっときつい運動にしても結構ですが、3日に1回ぐらいは必ず筋肉を休ませる日を入れて下さい。筋肉に回復する時間を与えずハードなトレーニングを続けると、故障の原因になるので注意しましょう。
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